〜東北篇〜



8月30日

早朝、八戸港へ到着。
船から降りた瞬間、温かい空気に驚く。
たかだか数十kmの海を隔てただけなのに、これほどまでに気候が違うとは。
せっかく八戸に来たんだし、用事もないけど、八戸駅に行ってみる。


どのルートで南下するのか、何も決めていなかったので、とりあえず、
国道45号線で、太平洋側を通って、仙台を目指そうと思う。
ひたすら走るが、坂道が多い。
岩手県、野田村の道の駅に付き、泊まろうか迷うが、日が暮れるまでかなり時間があるため、普代村まで行こうと決める。
普代村に到着する。市街地を探索してみるが、コンビニなどのチェーン店は皆無だ。
野宿できそうな公園を探すが、まったく公園が見当たらない。くまなく探したつもりでも、見つからない。
駅前の駐輪場で寝ようか迷う。

ほとんど日が暮れかけてるなかで、ダメ元で寝る場所を探してみる。
そしたら、建設中の高架橋の橋桁付近に調度良い芝生地帯になってる。寝場所決定。
8時頃に就寝。



8月31日

夜明けとともに起床。
普代村を抜けた瞬間に、激しい峠道。 東北・太平洋沿岸の道は、だいたいが峠道なのだろうと悟る。泣きたくなる。
相変わらず、ちょっとの上りでも、歩いていく。
そんな調子でなんとか、宮古市に到着。
相変わらず、困ったときは駅前に行く。

駅横の繁華街はなかなか盛況だ。宮古市の街の規模の割に、飲み屋が多い印象を受けた。
そしてその繁華街のなかにに銭湯発見。福島湯という名称。見た目も、内装も、いかにも昭和といった感じ。
そして、駅前に設置してある地図で、市内の公園を探す。
近い順番に、何箇所か行くが、皆、公園に仮設住宅が造られている。野宿するスペースは皆無だ。
何箇所か回ったのち、マックハウスの裏手にようやく公園を発見。
テントを張らずに寝ていたところ、夜10時半頃にけたたましいサイレンが!!
どうやら津波警報が発令されたらしい。避難しようか迷ったが、周りの住民は動く気配がなかったので、僕もそのまま就寝する。



9月1日

まだ日が昇る前に起床。
気がつけば、おじさんがじっとこちらを見ている。
こんなところで寝てる人間が珍しいのだろう。少し話をしてみると、
1周間前くらいにも、この公園で野宿をしていたチャリダーがいたそうだ。そのチャリダーは九州から北海道を目指していたらしい。

この日は大船渡市を目指し出発。
大船渡に着くまで、被災地のど真ん中だ。山田町、大槌町、釜石市とかなり津波の被害があったところだ。

かなり綺麗な海だけれども

峠を苦労して超え、大船渡市に入る。
泊まる場所を探していると、盛川の河川敷を見つける。


橋の下で就寝。



9月2日

午前中は雨のため動けず。ベンチでぼーっとしていると、近くにいたおばさんがミニトマトをくれた。


陸前高田市を通る。街のほとんどが津波に流されている。
奇跡の一本松をみつける。


いい時間帯になり、気仙沼市に入る。そうすると、どでかい漁船が陸に揚がっているではないか。
街をうろつくと、銭湯発見。「亀の湯」で入浴。一番風呂だった。
すっきりし、道の駅大谷海岸を目指す。
夕方になり、雨が降り始める。焦って走っていると、スリップして転倒。膝を擦り剥いた程度の軽症ですんだ。
道の駅大谷海岸も被災した模様で、仮建設の施設であった。
僕はその軒先で寝る。




9月3日

この日は、午前中のうちに南三陸町を抜ける。南三陸町もかなりの部分が津波にやられている。
しかし、国道45号線の海沿いは南三陸町を過ぎると最後で、横山峠を越えると道はかなり楽になる。
松島町に入ると、ようやく観光地に来たという雰囲気になった。
青森・八戸市に入り、国道45号線で南下していると、観光地といったところはほとんど皆無だった。
それが、宮城県に入り、このようなところに来ると、よくここまで走ってきたなと少し感慨深くなった。
ところで宮島はというと・・・・普通であった。日本三景というが、まあわびさびの世界だ。



そんでもって、松島町から仙台市に至るまでは、これまでになく平坦な道で、非常に快適に走れた。
印象に残ったのはトラックの交通量の多さだ。採石場から運んできたような砂利を運んでいる。砂煙が辛い。
そして、仙台市内に入る。

国道45号線の起点に到達。


本日はカプセルホテルに宿泊。料金は2700円。




9月4日

福島県・郡山市方面へ向かうため、国道4号線に乗る。
岩手県沿岸部と比べると、ずっと平坦で、よく進む。
宮城県を出て、福島県福島市を超えると、雨が降り始める。
そういったときに、道の駅安達に着く。けっこう大きな道の駅で、大きな東屋もある。コンビニも入ってる。
すると、既に自転車の先客がひとりいる。東北をずっと回ってるとのこと。
夜になると、また1名、自転車旅行者が来た。この人は、日本1週の最中みたい。
この日は結局、3人が道の駅に泊まった。




9月5日

郡山市に入る。またなんとなく、郡山駅前まで行ってみる。
その後、水戸市方面に行くために、須賀川市から国道118号線に乗る。
磐城棚倉駅付近でうろうろしていると、パンクする。
そして、目的地の道の駅塙に到着したのは、8時過ぎになった。




9月6日

目的地はひたちなか市。
118号線沿いに久慈川が流れる。かなりの眺めの良さだ。
なかなか勾配が多いが、渓谷付近に田園風景が広がるとてもいい景観。
田舎道を抜け、水戸市に着く。偕楽園に行が、あいにくシーズンではないため、花も咲いてなければ、紅葉でもない。


友人宅に泊まるため、ひたちなか市に向かって水戸駅を出た途端に、豪雨に当たる。
全身が濡れし、荷物も濡れた。
そんななか、夕方から勝田駅で3時間ほど友人を待つ。
そして、この日は友人宅に宿泊。




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